ホームページ制作を検討している際、多くの企業が一括見積サイトやコンペを利用して、複数の制作会社から見積もりを取ることがあります。
しかし、実際にはこの手法は成功を収めることは少なく、逆に迷いが生じたり、比較が困難だったり、時間を浪費することにつながることがあります。
本記事では、ホームページ制作会社を一括見積サイトやコンペで選ぶことの難しさと、そのリスクについて探っていきます。
ホームページ制作会社から多くの提案が来る=対応に時間がとられる
ホームページ制作を依頼する際に、一括見積サイトやコンペを利用することで、多くの制作会社から提案を受けることができます。
しかし、その提案の数が多いほど、1社1社対応しなければなりません。
メールへの対応、提案を受けるための打合せ日時の調整、検討~検討結果の連絡など、仮に5社からの提案だったとすれば5倍の対応時間が必要になります。
そのうえ逆に選択肢に迷いが生じることがあります。
各社のアイデアや提案内容が異なり、どの会社が最も自社のニーズに合っているのか判断することが難しくなります。
当然、比較検討に多くの時間を要します。
各社の提案を詳細に検討し、価格や品質、信頼性などを考慮するためには、時間と労力が必要です。
この過程で疲弊してしまうと、前半3社程度はしっかり打合せ・検討に時間が取れたが、残りはあまりしっかりと検討できなかったということもよくあります。
ホームページ制作の見積もり項目の違いによる比較の困難さ
一括見積サイトやコンペに参加する制作会社は、各社が独自の見積もり項目によって金額を提示します。
見積もりを比較する際に、項目が統一されていないために適切な比較が行えないことがあります。
「この会社のこの金額設定は妥当か」「こちらの会社には他社に合ったこの項目が計上されていないが大丈夫か」など一つの項目が他社では別の項目として扱われている場合、価格やサービスの比較が困難になります。
結局総額で安いところを選ぶだけ・・・になってしまいがちです。
比較検討に時間がかかり疲弊する
一括見積サイトやコンペで見積もりを集めることは、比較検討に多くの時間を要することがあります。
各社の提案を詳細に検討し、価格や品質、信頼性などを考慮するためには、時間と労力が必要です。この過程で疲弊してしまうと、本来の目的である最適なホームページ制作会社の選定が困難になります。
ホームページ制作会社側も提案作成に要する労力とリスクを背負います
ホームページ制作会社は、一括見積サイトやコンペに参加する際には、リサーチから提案書作成、場合によってはラフデザインの作成など、かなりの労力を割くことになります。
しかし、この労力を費やしても結果として受注できない可能性もあります。
受注できなかった場合、制作会社はそのコストをどこかで回収しなければなりません。
つまり価格設定は失注リスクも組み込んだ設定となるため、一括見積サイトやコンペに参加する制作会社は、提案時にコストを割高に設定することがあります。
一括見積サイトへの手数料
一括見積サイトを利用する場合、制作会社は手数料を支払っているということを知っておくべきでしょう。
この手数料は制作会社のコストに加わり、結果としてホームページ制作のコストが高くなる要因の一つとなります。
受注後の仕事内容への影響
一括見積サイトやコンペで競争する制作会社の中にも、受注を優先に考えて上記のコストを見積もりに上乗せしない会社もあります。
実力で仕事が取れていない会社にその傾向があります。
利益があまり得られない場合、制作会社は受注後の仕事内容において十分な時間や労力を割り当てることができなくなります。
同時並行で安い仕事を動かさざるを得なくなるので、品質や納期に影響が出る恐れがあり、クライアントにとっては望ましくない状況になります。
まとめ
一括見積サイトやコンペを利用することは、一見便利なようですが、意外にうまくいかないケースも多いです。
選択肢の過多や見積もり項目の違いによる比較の困難さ、時間と労力の消費など、多くのリスクが存在します。
制作会社にとっても労力やリスクが伴うものです。
提案作成に要する労力や一括見積サイトへの手数料、受注後の仕事内容への影響など、さまざまな要素がホームページ制作のコストを高める可能性があります。
そのため、最初は面倒に感じるかもしれませんが、自社の目的にかないそうな制作会社を1社1社検索してみて回って、気になったところに見積もり相談をするほうが結果効率的です。
比較検討も2社~3社程度で十分。価格だけでなく、信頼性や実績、コミュニケーションの重視など、自社の求める基準で制作会社を選定することが重要です。